星狐

□隣にいるのは
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「……………フォックス?」

振り返ったファルコが「信じられない」というような顔で俺を見る。

「お前、なんで…」

「ファルコの馬鹿!」

ファルコの顔を見たとたん、頭で何か考えるより先に言葉が出てきた。

「なッ、誰が馬鹿だ!」

「ファルコだよ!あんな手紙残して勝手に出ていって!しかも手紙の内容だって!俺のこと好きだとか、でも忘れろとか、もう会わないとか………」

言いながら俺は途中で泣き出してしまった。
溢れだした涙は止めようと思っても止まらなかった。
「…ファルコの、馬鹿」

泣きながらもう一度言う。

ふと、頭に柔らかいものが乗せられた。
…ファルコの手だ。

「…悪かった」

俺はそれを聞いて益々涙が止まらなくなった。

そのまま随分長い間泣き続けた。
その間ファルコはずっと隣に座って俺の頭を撫で続けた。

「…なぁファルコ」

ようやく涙が止まった俺がファルコに最初に言った言葉。

「俺も…ファルコのことが好きだ」

多分、そういうことなのだろう。
いつも傍にいてくれた。
だからこそ気づけなかった。
無くして、見つけて、初めて気付いたこの気持ち。
何故か分からないけど、自覚した瞬間これが「恋」なのだと気付いた。

「…お前、本当に分かって言ってんのかよ」

そう言いながらもファルコは俺を強く抱きしめた。
そして、二人で見つめ合う。

「フォックス、愛してるぜ」

「…俺もだ、ファルコ」

そして、互いの唇が触れ合う。

「ん…」

そのまま息が続く限りキスをした。

ファルコの唇が俺の唇から離れる。
離れるのは名残惜しかったが、ずっとこうしてる訳にもいかなかった。

みんなが俺とファルコを探す声が聞こえてきたから。

「…しょうがねぇ。行くか」

「そうだな」

俺は自分の顔がまだ赤いんじゃないかと心配しながらもファルコと二人でみんなの元へと歩きだした。

終わり
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