その他
□その後の話
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風間さんから連絡が来たのはあれから三ヶ月後のことだった。
あの後、風間さんは私が蝦夷にしばらくの間残れるように手配してから薩摩に帰った。
私は一ヶ月ほど蝦夷にいて、旧政府軍と新政府軍の戦った跡を歩いてまわった。
どの場所も戦いの跡は激しく、その壮絶さを物語っていた。
私の涙は止まることなく、長い間泣き続けていた。
しかし、いつまでも泣いていられないので、私は江戸の実家に帰ることにした。
あの時拾った誠の旗は荷物の奥底に、悲しみと共にしまい込んだ。
私が蝦夷を発った時には、もう桜の花はすっかり散ってしまっていた。