novel
□夢路を辿り
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遠見真矢は緊張のあまり手に持った包みを握りつぶしかけていた。
六角形のその小箱は可愛らしくラッピングされていて、ピンクの細いリボンが真矢の好みだった。
だからこれを買ったのだ。
バレンタインにあげるチョコレートを。
最初から手作りすることは考えていないあたり、彼女は自分の得手不得手を正確に把握していた。。
…ファフナーに乗らなくとも冷静になれる時もあるらしい。
こと、彼に関しては。
握りつぶす前に、意中の彼を探さなければならなかった。
しかし、アルヴィス内のどこを探しても彼は見つからない。
心当たりはあとひとつしかなかったが、どうもそこは鬼門だ。
「皆城君の部屋かあ」